3月16日、秋田県・角館で                                        スローフードジャパン総会開催

投稿日 2013年04月17日

3月16日、秋田県・仙北市でスローフードジャパン第12回全国大会が開かれました。この大会は、スローフードジャパンが2008年にNPO法人化してから第6回目の会員総会です。

大会が開かれた3月は、秋田県内各地で雛祭りに関わるイベントが行われます。会場となった仙北市の第三セクター角館温泉「花葉館」のロビーにも、そこからバスで約30分離れた親睦会会場の温泉「ゆぽぽ」のロビーにも、雛人形が飾られていました。まだ雪深い山間で、春を待つ心が伝わってくるような会場でした。
総会に先立ち、スローフードジャパン発足後8年ぶり第2回目となる、2005年以来開催されなかった「Ark(味の箱舟)担当者会議」が行われました。参加したのは13支部(コンビビウム)、20名あまり。スローフードインターナショナルが提唱するArk(味の箱舟)・Presidio(味の砦)プロジェクトは、このままでは消滅してしまうかもしれない伝統的な食材・食品をリストアップし、保護する活動です。今大会開催時点で会員実数(会費納入者)が1,000人を下回ったスローフードジャパンにとり、活動再生のキーのひとつとなるのが、このArk(味の箱舟)・Presidio(味の砦)プロジェクトです。フリートークに近い会議では、会議出席者同士のコミュニケーションを図る、全国のArk(味の箱舟)登録食材・食品がわかるようなパンフレットを作って欲しいなど、活発な論議が交わされました。

総会では、大きな決定が二つありました。
ひとつは、スローフードジャパンが抱える約880万円の負債について。この負債は、債権者の代表である若生裕俊さん(スローフードジャパン前会長)との間で、現会長や事務局長など「執行部」の個人名を記さない確認書を交わし、企業が名刺にスローフードの専用ロゴマークを使える「アミーチ・ディ・スロー」プロジェクト(http://www.slowfoodjapan.net/blog/2011/01/01/1983/)などの収益金で返済することが承認されました。
ふたつめは、日本の農業を巡る最大の問題であるT.P.P.加盟についてです。これについて、「スローフードジャパンはT.P.P.に関してとくに方針を定めない。賛成か反対か、各コンビビウム(支部)が独自に取り組めば良いことだ」との見解が、地元スローフード秋田の会長でスローフードジャパン副会長、東京在住の石田雅芳さんから示されました。この見解は、「ほかの農業団体などからT.P.P.反対で連携しないか、という働きかけがあるが、どうしたらよいのか?」というスローフード山形の質問に対する回答として出されましたが、充分な討議がされないままスローフードジャパンとしての見解となりました。秋田県はかつて八郎潟の大規模開拓と米の減反政策など国の農業政策に振り回され続け、T.P.P.の影響を大きく受けると予想される稲作県のひとつです。さらに、スローフードインターナショナルはEUの農業政策に積極的に関与して政治的な提言をしています。スローフードは農業政策への疑問から始まりました。T.P.P.に対するスローフードジャパンのこの見解は、これからの日本のスローフードの行方を決める大きな決定となるでしょう。
また、特別参加したスローフードコリア(韓国)のキム・ビョンスさんたちから、今年10月1日から6日までソウル近郊のナミャンジュ(南楊州)市で開かれる『2013 AsiO Gusto』(テッラ・マードレとアジア・オセオニア地域スローフード国際大会)のプレゼンテーションがありました。
日本のスローフードがイタリアに学ぶ時期は、すでに終わりつつあります。いまは、食文化も社会状況もイタリアとは大きく異なる日本で、そして東日本大震災と原発事故を経験した日本で、いかにアクションを起こし、人とつながり、スローフードの新たな動きを生み出してゆくのか、組織の在り方ではなく運動の実効性が問われています。

総会に先立つ前夜祭は、畳に座って角館風御膳料理を食べるオールドスタイルの宴会。宿泊は8畳間に7人で眠る合宿風。総会後の親睦会は場所を移動して、温泉「ゆぽぽ」の料理長が秋田の食材を使った心尽くしのビュッフェ。まさに、秋田らしい素朴な総会でした。                              (↓写真下:大会に参加したスローフード気仙沼のメンバー)

 

ドキュメンタリー映画『よみがえりのレシピ』  東京で初上映 !!          

投稿日 2012年04月05日

スローフード山形のメンバーが中心になって製作した映画『よみがえりのレシピ』が、東京で初上映されます。
この作品は、4月2日、第36回香港国際映画祭でも上映されました。
日本のスローフード運動の考え方や在り方を知るために、ぜひご覧ください。

4月21日(土曜日)午後8時50分~午後10時20分
4月23日(月曜日)午前11時~午後0時30分
世田谷区 下高井戸シネマ(京王線下高井戸駅下車 TEL 03-3328-1008)
¥1,300円 (前売り¥1,000円)

http://shimotakaidocinema.com/schedule/tokusyu/dokyu2012.html
http://www.y-recipe.net/index.html
 (上映についてスローフードに関する問い合わせ battex02@zap.att.ne.jp)

下記は、フランス上映用に書かれたコメントです。

日本の地域文化と伝統野菜
掛川正幸(*脚本家/記者)

*映画「実録・連合赤軍」で、2008年ベルリン映画祭/最優秀アジア映画賞ほか受賞 

 さいきん、日本ではかつて地域で作られていた固有の野菜・伝統野菜の復活が広がっている。これは、消費者のニーズの多様化によって、野菜も種類を増やさなければならなくなった結果だ。だが、それらの野菜の栽培に使われる種子は、かつて各農家が伝統的に行っていた「自家採種」の種ではなく、多くは大手種子メーカーによって作られた交配種だ。そして、販路も都市部の消費者を対象としている。地域の伝統野菜の復活は、農業協同組合の新たな野菜ビジネスに直結しているケースが多い。

 ドキュメンタリー映画『よみがえりのレシピ』のテーマは、それらの伝統野菜復活の動きとは異なり、「食」を通した日本の地域文化の保持と創造だ。登場する野菜の種子は、もちろん自家採種。取り上げられる農法のなかには、数百年の歴史を持つ「焼き畑」もある。そして、何よりもそこで語られるのは、種を守り続けてきた生産者、その種を発掘し価値を語る研究者、さらに栽培された野菜を使う料理人が織りなす、<食のトライアングル>だ。このトライアングルこそが、伝統野菜を保持するだけではなく、その野菜を使ったメニューによる新たな「食」の可能性を通して、伝統に根ざす地域文化を創造してゆくのである。この映画に登場する伝統野菜は、山形県鶴岡市のレストラン「アルケッチャーノ」の奥田政行シェフの手を通して、いまや多くの人が知る「山形イタリアン」へと変身する。映画では、地域に根ざす生産から消費にいたるプロセスが語られる。

 日本の野菜の多くは、原産地が日本ではない渡来種だ。その渡来種の自家採種を繰り返してそれぞれの土壌や天候に適合させた結果、地域の固有種・伝統野菜が生まれた。また、日本で人気が高いイタリア料理も、地域性が強いイタリアの料理が新たなレシピによって現在の味覚になった事は知られている。

 ある哲学者はこう語る。「伝統とは、成功した改革の結果である……」              『よみがえりのレシピ』は、伝統野菜だけではなく、その<改革>を描いている。

( ↓ 山形県鶴岡市の山林で行われている<焼畑>)

東日本大震災 支援⑨  気仙沼・冬

投稿日 2012年01月27日

<あの日>から10ヶ月経た気仙沼を、再び訪れました。そこで見たのは、5月に訪れたときと同じく、私たちの想像を超えた自然の力の凄ましさです。瓦礫の撤去が進む被災地域は広大な荒野となり、たとえそこに再び街が出現しても、以前の営みが刻まれるのは記憶のなかだけかもしれません。しかし、その荒野には自分たちの暮らしを取り戻すだけではなく、新たに作り出そうとする方たちの熱き想いがありました。

東日本大震災の津波が気仙沼市にもたらした瓦礫は、約137万トン(新幹線「のぞみ」約19,000本[編成]に相当)。その約32パーセントが、撤去されました(気仙沼市1月14日発表)。瓦礫に埋もれていた場所の多くは、いま更地に近い状態になっています(→写真右)。しかし、市内には仮設のプレハブ家屋以外新築建築は見当たらず、再建は進んでいません。被災した土地の乱開発を防ぐために実施された建築制限が解除された地域でも、都市計画が決定していないので新たな建物を建築しづらいのです。気仙沼湾に面する市街地の一部は、70センチ以上の地盤沈下で海水が引きません。湾のいちばん奥・鹿折地区では、津波で海から約800メートルも打ち上げられた『第18共感丸』(330t)が、市の計画で震災の記録モニュメントにするため解体されず残されています(↓写真下大)。

スローフード気仙沼のメンバー小野寺靖忠さんは、津波で自宅と市内で経営するコーヒーショップを2軒を失いました(←写真左)。カフェラテが美味しいと評判だった小野寺さんの『アンカーコーヒー』は、コーヒー豆にこだわり自家焙煎をしていました。仕事でアメリカ西海岸を訪れる機会が多かった小野寺さんは、「豊かさには、選択肢の多さも重要です。生まれ育った気仙沼に新たなライフスタイルを提案したかった」と、2005年シアトルスタイルのコーヒーショップを開店しました。そして、昨年の3月11日、店舗が増え5軒になった頃、漁港近くの本店と少し離れた支店を津波に飲み込まれました。しかし、小野寺さんは2ヶ月後店を立て直すファンドを立ち上げます。そして、昨年暮れの12月23日、市内・田中前4丁目の仮設店舗で店を再開したのです(↓写真下)。                  再開した『アンカーコーヒー』には、                                             <この地より再び船出する、乗組員と共に、気仙沼と共に、海と共に>                                    と記すポスターが張り出されていました。

スローフード気仙沼の理事長・菅原さん。「私たちは東日本大震災で被害を受けたから、気仙沼の復興を語っているのではありません。私たちはこの地域の復興を、スローフードジャパンが発足する前から掲げていました。スローフードの支部を作ったのは、その考え方にたまたまスローフードの理念が合っていたからです。だから、漁業と関わりの深い気仙沼を活性化させるために、2004年にイタリアで開かれた<スローフィッシュ>にも参加しました。震災後のいま訴えることも、いちばん重要なのはスローフードが理念とする『人間の復興』です。いま、何か新しいことを訴えているのではないのです。私たちが望むことに意味付けし、広めるのがスローフードの役割だと思います」(→写真右上は、菅原さんの事務所。1,2階が津波に流され、3階部分だけそのまま落ちた)

スローフード気仙沼はスローフードすぎなみTOKYOとは異なり、飲食業に携わる事業者の方たちが多い支部(コンビビウム)です。スローフードの<おいしい、きれい、ただしい>というスローガンは、生産者や消費者だけに向けられているのではありません。飲食業に関わるすべての人たちに、「食」の在り方を問いかけています。漁業と海産物加工の町気仙沼では、復興の入り口と出口にスローフードがある、と菅原さんは言います。

2012年1月のある夜、仮設店舗の居酒屋で、スローフード気仙沼のメンバーと酒を飲み交わしました。皆さんは気仙沼の現実と復興を明るく、たくましく、熱く語ります。そして、その熱き想いが、私たちが被災地に持つ思い込みや誤解、独善を吹き飛ばすのです。私たちは気仙沼のメンバーに、元気をたくさんいただきました。
 

昨年の3月14日、大震災の発生にともない、スローフードジャパン・東京/神奈川ブロックはスローフード気仙沼を支援する緊急アッピールを発表しました。                       → http://www.slowfood-suginami.com/forum/etc/2011/03/1361/                            そのアッピールに応えてくださった全国のコンビビウムやこのページの閲覧者の方々、とくに、チャリティイベントを開き支援金を送ってくださったスローフードベルリンの仲間に伝えます…。→ http://www.slowfood-suginami.com/forum/etc/2011/04/1489/

              スローフード気仙沼は、元気です!!

 

東日本大震災 支援⑧
宮城県・長面(ながつら)浦の焼きハゼ

投稿日 2012年01月20日

東日本大震災は、私たちの味覚にも痕跡を残します。
仙台の雑煮に欠かせない焼きハゼで、もっとも伝統的な長面(ながつら)浦の焼きハゼが消えてしまうかもしれません。
それぞれの地域で、数少ない生産者によって受け継がれてきた食材・食品を残す活動は、スローフードが提唱する重要なテーマのひとつです。

<長面浦の焼きハゼ>は、2005年ほかの8品目とともに日本で初めてスローフードの「味の箱船(ARK)」に選ばれました。「味の箱船」とは、このままでは消えてしまう伝統的な食品・食材を、世界的なガイドラインに沿ってリストアップするスローフードの国際的なプロジェクトです。焼きハゼは松島湾などでも作られていますが、<長面浦の焼きハゼ>には焼いた後に煙で燻す古い製法が残されていました。また、その製法を代々受け継いできた事が評価され、「味の箱船」にリストアップされたのです。

(←長面地区の子供たちが通った大川小学校で。ここで、74人の児童が犠牲になった)

 

長面浦は北上川の河口に接する海水が出入りする湖で、周囲8キロほど。牡蠣の養殖やハゼ漁が行われていました。その湖に面した長面地区は津波のために漁港も含めたすべてが失われ、満潮のときは地震による地盤沈下で、住宅地のほとんどが海水に浸されます。震災前、約500人が住んでいた長面では、69人が亡くなり25人がいまも行方不明です。焼きハゼを作っていた榊照子さん(68)のお父さんの遺体が見つかったのは、9月17日でした。

追波(おっぱ)川河川運動公園の仮設住宅で、照子さんは語ります。「被災後は、長面浦には行きたくありませんでした。でも、6月に避難所からここへ移り、7月に船が瓦礫の中から見つかったので、せめて漁網だけでも注文しようと思いました。父の遺体が見つかったのは、9月です。スローフード宮城の方は、震災直後から何回も訪ねてきて、焼きハゼ作りの再開に協力を申し出てくださいました。長面浦では、ほかの魚はほとんど獲れなくなったのに、ハゼだけは獲れるんです。それで、もういちど作ってみようと決めたのは11月頃です」 照子さんは、12月に50連約600匹の焼きハゼを作りました。              (↑写真上 左・榊照子さんの家があった周辺。 写真上 右・潮が満ちてくると海面になる、と言う。→写真右 上・運動公園の仮設住宅。写真右 下・左側が照子さん。右側はお母さん)

しかし、スローフード宮城とスローフード仙台のメンバーが壊れた車庫を利用して作った、ハゼを焼くための仮作業場はもうすぐ取り壊されます(↓写真下)。次の作業場は、場所さえまだ決まっていません。また、岸壁も全壊したため、ハゼ漁に使う船はかろうじて残った堤防の片隅に係留されています(←写真左)。<長面浦の焼きハゼ>作りは、この冬なんとか再開できたものの、来シーズンの見通しは立っていないのが実情です。スローフード宮城とスローフード仙台では、<長面浦の焼きハゼ>復活募金を、下記のように行っています。

①募金額 / 一口¥3,000円(少額でも、何口でも結構です)
②振込先 / 杜の都信用金庫 本店営業部
口座名義: スローフード宮城
口座番号: 普通預金 1581336

 

<長面浦の焼きハゼ>がリストアップされている「味の箱船」は、スローフードが考える生物多様性につながっています。スローフードが考える生物多様性は、科学的な意味での多様性だけではなく文化としての多様性です。そして、味覚は文化の多様性を語る要素のひとつです。       <おいしい・きれい・ただしい>を掲げるスローフードの原点は、そこにあります。                <長面浦の焼きハゼ>が姿を消すとき、それは何を意味するのでしょうか……。 

 (↓かつての長面地区)

 

東日本大震災(東北関東大震災・東北太平洋沖地震) 支援④
スローフード沖縄・奄美からのたより

投稿日 2011年04月22日

 

4月20日、スローフード沖縄・奄美が主宰するNPO法人「食の風」は、             震災被災者を支援する『沖縄でニッポンを復興させる会』を設立し、       沖縄本島・中部の宜野座村(ぎのざそん)に、                           福島第一原発事故の被害者など15家族受け入ることを発表しました。

この日、スローフード沖縄・奄美会長の田崎聡さんは、設立5団体の代表者とともに、沖縄県庁で記者会見を開催。会の設立と、宜野座村(ぎのざそん)による15家族受け入れが、新聞各社・テレビ各局で報道されました。→  Okinawa Zinoza 01 4月9日正午現在、沖縄在住の震災避難者は887人(朝日新聞調べ)。しかし、その多くは沖縄出身者や個人的な関係による避難で、自治体と民間団体が行う組織的な受け入れは、沖縄県では初めてです。避難者の住居費は、1年間無料(光熱費別)、那覇への航空運賃も無料(暫定5月末まで)。受け入れ農家での農作業のほか、休耕農地での耕作が可能です。

受け入れ先となる宜野座村は、那覇空港から沖縄自動車道経由で約1時間半。人口約5,500人の沖縄本島中部に位置する村です。阪神タイガーズのキャンプ地として知られ、また、漢那ダムをはじめ5つのダムがある沖縄の水瓶です。昨年3月、「有機の里」宣言をした宜野座村は、環境保全型農業を地域ぐるみで目指しています。したがって、環境保全型農業を目指す方たちにとって、うれしい場所です。

宜野座村エコ野菜研究会の志良堂貢さん(写真下・左)は、10年前から化学肥料を一切使わず独自の肥料を開発し、無農薬で野菜を栽培するために、在来種のクモやカエルを使って害虫の駆除をしています。「宜野座で、マッチョンドー(宜野座で、待ってるよ)」と、志良堂さん。また、3年前に農業研修で宜野座村に来た菅野里志さん(写真下・右)は、福島県出身。研修終了後、宜野座村に移住してイチゴなどを栽培しています。菅野さんは、JAの支援体制や行政のバックアップがしっかりしていて、移住を決意したそうです。スローフード沖縄・奄美の田崎さんは、「被災地と沖縄との交流を通して、第一次産業から復興につなげてゆきたい」と、語ります。

 

 

                       (↑ 宜野座村を描いた絵)

↓ 『沖縄でニッポンを復興させる会』(設立趣意書)                              Okinawa Ginoza 03 

               

また、4月17日、那覇市久茂地のフレンチ・レストラン「メゾン・ド・フジイ」は、震災復興へ向けたチャリティー・ディナーを開き、売り上げを、スローフード沖縄・奄美を通してスローフード気仙沼の支援に寄付してくださいました。

 

追記:

この発表のあと、5月6日から10日まで、スローフード沖縄/奄美の田崎会長は原発からの避難所を訪れました。福島県双葉町の方たちが避難していた埼玉県加須市、おもに大熊町の方たちが避難していた福島県会津若松市、おもに富岡町と川内村の方たちが避難していた郡山市で、田崎会長はそれぞれの行政担当者へ被災家族の受け入れを説明しました。また、地元テレビ局や新聞などの取材も受け、原発災害に対するスローフードの対応のひとつを地域のメディアに示したのです。申込期限の5月末までに正式に移住を決めた家族はありませんでしたが、この受け入れ計画はいま「宜野座エコビレッジ構想」として発展し、継承されています。(→ginoza_120111

福島県産の「きゅうり」はいかがですか?

投稿日 2011年04月13日

スローフード福島事務局長の遊佐さん(人気酒造)からの呼びかけを転載します。

ぜひ、風評被害で困っている農家を消費者から支援しましょう。

義捐金をお送りいただくのもとても貴重ですが、誇りをもって産品をつくっている人のモノを風評から守り、買い支えていくことが、また大きな支援になりますので。

4/16(土)開催の「座の市」でもきゅうりを販売いたします。

宜しくお願いいたします!

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今、福島では深刻な風評被害で困っている農家がたくさんあります。

まだ、今は季節柄多くの野菜がある時期ではありませんが、これから旬を迎えるきゅうり農家が大変です。市場に出しても通常の半値以下の取引になってしまいます。

福島では葉物野菜は出荷規制があり、その場合、保障があります。

ですが、きゅうりのように規制値に問題ないものは、風評被害でこのような状況になってしまうのです。

●スローフード福島会員の斎藤保行さんのきゅうり●

斎藤さんのきゅうりは、そばかすを中心に基本の施肥をして、昆布粉を入れ、トウモロコシの油粕でトッピングしたという高級胡瓜です。

人間も美味しいものを食べないと元気が出ませんが、野菜も美味しい食べ物を食べさせようと、がんばって作っています。

ですので、ヘタまで捨てずに食べられるのが特長です。

福島県持続性の高い農業生産方式導入計画認定証を胡瓜で最初に受けたのも斎藤さんです。

デパ地下でこの価格の倍以上で売られているのですが、今年は風評被害ですべてキャンセル。ということで、ぜひこの機会に福島の胡瓜を食べてみませんか?

気になる放射性物質は(ハウスですので問題ないのですが)無添加食品販売協同組合検査センターでの検査結果によると、セシウム134が11Bq/kg、セシウム137が検出せず、ヨウ素131が検出せず、でした。

セシウムは検出限界が10Bq/kgですので、ほとんど誤差のような数字ですので、安心して食べられます。

 

■価格 1箱50本 1,890円税込(5月1日より暖房費が安くなりますので1,785円になります)

■送料(1箱~3箱まで)北海道840円、北東北525円、南東北・関東420円、中部630円、関西735円、中国945円、四国1050円、九州1155円、沖縄1260円

■ご注文方法 直接、斎藤保行さんに、「スローフードの紹介で」とメール又はFAXでお願いします。

sai10@cocoa.ocn.ne.jp

TEL/FAX 024-535-3887

960-8201福島県福島市岡島字竹林23

■お支払い方法 商品といっしょに郵便局の振り込み用紙をお送りしますので、速やかにお振込ください。

口蹄疫 7月24日 高円寺チャリティーイベント

投稿日 2010年07月26日

7月24日(土)、JR高円寺駅北口。正午からスローフードすぎなみTOKYOは、高円寺商店街連合会、都内の大学生を中心としたグループ「わかもの農援隊」「SOLA」と共働で、宮崎の口蹄疫被害を救援するチャリティーイベント、<どげんかせんと宮崎>を行いました。

このイベントで行われたのは、おもに宮崎県の農産加工物の販売、被害者の方々へのフォトメッセージの募集、Twitterを使ったオンラインメッセージの書き込み、募金などです。

暑かったです! 最高気温は、隣の練馬で午後2時に37℃の猛暑日。しかし、そんな暑さににもかかわらず、学生ボランティアは30人近く、高円寺商店街の方たちが10人以上、スローフードすぎなみからも7人集まりました。さらに、高円寺名物・阿波踊りの「飛鳥連」の方たちも友情出演して、場を盛り上げてくださいました。その結果、午後4時前には物産は完売。その売り上げ利益と、募金の合計約24万円が宮崎県に送られます。また、フォトメッセージを書いてくださった方は120人近くになりました。これも宮崎県に送られます。

スローフードすぎなみTOKYOは、呼びかけ人と言うより、商店街連合会の実行力と、学生たちの行動力が起こした大きな渦に参加させていただきました。ありがとうございました。

 

 

口蹄疫へのスローフードすぎなみTOKYOの取り組み

私たちスローフードすぎなみは、5月15日に開かれたスローフードジャパン東京・神奈川ブロック・ミーティングの席上、緊急アピール「かつてない口蹄疫の発生について」を提案し、採択されました。→ ‘10.05.15 appeal

翌週から、各全国メディアが一斉に宮崎県での口蹄疫の発生を伝え始めました。その週末の5月22日、スローフードジャパン拡大理事会が開かれ、私たちはスローフードジャパンとして口蹄疫問題に取り組むよう求めましたが、出た結論は「静観する」でした。

しかし、私たちのアピールに応じてくださったグループがありました。東京都内の大学生を中心とするSOLA(日本の農業に一生をかける!学生委員会)でした。SOLAの呼びかけに応え、6月19日多摩川の河川敷に200人あまりの若者たちが集まり、「宮崎和牛を食いつくせ!!  ~学生200人BBQ@多摩川~」というバーベキュー大会を行いました。風評によって販売されなくなった宮崎牛を食べ、被害農家を支援しようというチャリティーです。→ http://www.slowfood-suginami.com/forum/foods/2010/06/639/

さらに今回、高円寺商店街連合会の多大な協力の下、SOLAに加え、やはり学生グループの「わかもの農援隊」(農からニッポンを元気に!)とともに、「どげんかせんと宮崎」を開催できました。若い世代のなかに「農」に関心を持つ人たちが少数ではあってもこれほどいて、さらに口蹄疫に対して何らかの行動を起こそうとしていたことを知ったのも、大きな収穫でした。スローフードは、料理だけではなく、そのお皿の外を考える社会運動です。社会運動である以上、日本の「食」が危機に陥ったかもしれない今回のような状況になったとき、社会に対する役割として何らかのメッセージを発し、アクションを起こすのも、スローフードの在り方だと私たちは考えます。

宮崎からの報道によれば、口蹄疫による家畜の移動制限は今夜(27日午前零時)解除され、宮崎県は「非常事態宣言」を終結させる方針です。このまま新たな発症がなければ、今回の「口蹄疫問題」は第一段階を終えたと言えるでしょう。しかし、口蹄疫の問題はこれから第二段階に入ります。畜産農家の再生、口蹄疫が提起した日本の畜産業の脆弱性など、これから始まるのは、より深く大きく困難な課題です。今回の口蹄疫を一過性の問題としてではなく、「食」のより継続的なテーマの一つとして私たちは考えてゆきたいと思います。

 

 

 

麻布大獣医学部・日高さんから届いたメッセージ(高円寺「どげんかせんと宮崎」)

投稿日 2010年07月23日

明日7/24(土)12時から、高円寺北口広場で★『どげんかせんと宮崎』宮崎×高円寺×学生☆
~宮崎を食べて、知って、応援しよう!~が開催されます。

副実行委員長の武藤寛奈さん(わかもの農援隊)が、日高佑太郎さん(麻布大獣医学部6年)からメッセージをいただいてきました。
会場にて展示予定です。

また、日高さんご自身も、高円寺の会場に駆けつけてくださるそうです。

せっかくですので、こちらのブログでも転載させていただきます。

—————————————-

●「口蹄疫に対する思い」

     ~7/24「どげんかせんと宮崎」に寄せて

日高佑太郎さん(麻布大獣医学部6年)

 私は獣医学科6年の者です。卒業後は産業動物獣医師として畜産業へ貢献したいと考えております。

 私は宮崎市出身で、実家は養豚業を営んでおります。
殺処分等の対象にはなっていませんが、発生農場から1.5kmの距離にあり、現在も10km以内の移動制限区域に入っております。

 口蹄疫の1例目が確認されて4日後の4月24日に実家に帰省しました。
約1カ月滞在しましたが、毎日ニュースでは口蹄疫がトップで扱われ、父の携帯には被害に遭われた農家やその周辺農場、養豚関係者からの電話が鳴りやみませんでした。
私も父を通して被害の状況を目の当たりにしてきました。
父の友人や仲間、私が昨年実習でお世話になった農家、周りでも多くの方々が被害に遭われました。

 当初私の実家は発生地から約40km離れていました。
しかしえびの市に飛び火した際に、2か所ある農場のうち1か所が20km以内の搬出制限区域に入り、と畜場への出荷に影響が出ました。
その後も児湯地区を中心に感染地域が拡大、南下してきました。
もう1農場が制限区域に入るのも時間の問題でした。
感染やワクチン接種のリスクを軽減するために、他農場への豚の移動等も休日返上で行いました。
しかし5月19日、もうひとつの農場の20km以内の搬出制限区域に入り、6月10日には、一番恐れていた事態が起こりました。
約1.5km離れた養豚場で感染が確認されたのです。
これまでも消毒や防疫を徹底していましたが、一気に緊迫感が漂い、いつ感染してもおかしくない状況になりました。農場でできること、それはウイルスが場内に入らないように消毒や防疫体制を強化・徹底するのみです。
ウイルスは目に見えません。
それは農家にとって脅威となります。
口蹄疫に対する恐怖と不安の中、通常の仕事をしなければならないのです。

 このまま順調にいけば、27日には移動制限が解除されます。
しかし、安心はできません。ウイルスがいなくなったわけではないのです。
再び感染が起こらない補償はどこにもありません。
これから被害農家は再開に向けて動き始めますが、超えなければならない壁はたくさんあります。
そして今回多くの課題が残されました。
行政と農家が一体となって、より農家目線で、この国の畜産を守るのだ、という意気込みが伝わる体制作りを願っています。

 今回多くの畜産農家が被害に遭いました。
これは連日ニュースでも取り上げられており、みなさんも十分ご承知のことと思います。
しかし、獣医師や人工授精士、削蹄師など農家以外にも畜産に携わり、支えている関係者も多くいらっしゃいます。
当然口蹄疫の被害を受けていらっしゃる方も少なくありません。
特に獣医師は、診察していた農家の家畜を自らの手で処分していました。
本来家畜の健康を守るべき獣医師が、口蹄疫の蔓延防止のため、その家畜を殺処分しなければならないのです。
これら獣医師や人工授精士なくしては、宮崎の復興はあり得ません。
そのためにも、これら関係者に対する支援も考えて頂けないでしょうか。
将来、産業動物獣医師を目指す者としても切実な願いであります。

 私が宮崎から戻ってきた5月中旬、発生から1カ月が経過していましたが、こちらでの情報・報道には乏しいものがあり、宮崎との温度差を感じました。
ようやく全国的にも報道がされ始めましたが、偏った報道や農家の現状が上手く伝わっていないように感じました。
再建には当然金銭的な支援も重要です。
しかし皆さんが“正しく知り・理解する”ことは重要だと私は考えております。
今回のイベントを通して口蹄疫に関する正しい知識を持たれたうえで、宮崎で発生した口蹄疫について、もう一度考えていただけないでしょうか。

最後に、被害に遭われた農家の中には、皆様に再び安心・安全な畜産物を生産・提供するため、再開に向け動き出している方もいらっしゃいます。
皆さんのご理解とご協力、そして一刻も早い終息と、一戸でも多くの農家が再建することを願いたいと思います。

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以下は、6/26に日高さんが講演を行う前に掲載された新聞の案内です。
(★この講演会は、6/26にすでに終了しています。)

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「口蹄疫の現状知って」宮崎出身の獣医学生、26日講演
2010年6月25日18時22分 asahi.com(朝日新聞社)
   
 口蹄疫(こうていえき)におびえる故郷の畜産農家の思いを知って――。麻布大獣医学部6年の日高佑太郎さん(24)が26日、神奈川県相模原市の同大で開かれる口蹄疫の公開講座で講演する。養豚業を営む実家と周辺の状況を等身大の姿で伝え、感染防止に取り組む宮崎への支援を訴える。

 日高さんの実家は、宮崎市など2カ所の農場で計1万頭の豚を飼育する養豚農家。目が覚めると豚の鳴き声が聞こえる環境で育ち、獣医師を目指して麻布大に進んだ。

 4月、国内で10年ぶりに口蹄疫が発生した当時、実家は発生地から30~40キロ離れていた。だが、今月9日以降には宮崎市などに「飛び火」。実家が、家畜の移動を制限される区域に入ると、電話口の父親の声のトーンがどんどん下がっていった。「感染防止のため、豚舎の消毒回数を増やし、宅配便や新聞の配送も止めた」といった話が続いた。

 一方で、大学では、周囲の関心は驚くほど低かった。宮崎県産の肉の買い控えなどの風評被害も出ていた。今月初め、殺処分などの防疫活動に携わった同じ研究室の新井佐知子助教(34)が現地から戻ったのを機に、公開講座の企画が持ち上がった。

 講座「口蹄疫を正しく知ろう」は26日午後1~4時、麻布大百周年記念ホールで。日高さんと新井助教の講演のほか、ウイルスの特性や感染を防ぐ方法を同大教授らが解説する。参加無料。問い合わせは同大経営企画課(042・769・2032)。(見市紀世子)

★この講演会は、6/26にすでに終了しています。

7/24『どげんかせんと宮崎』宮崎×高円寺×学生 内容確定

投稿日 2010年07月22日

7/24『どげんかせんと宮崎』宮崎×高円寺×学生  の内容が固まりました。
一昨日は、座・高円寺にて定期的に行われている「地域連絡協議会」にわかもの農援隊の平戸君と参加し、地域の商店街・町会の方々に改めて概要を説明してきました。

明日には事前搬入、7/24当日は9時amにスタッフ集合して準備に入ります。
総勢50人体制で臨みます!
ぜひ会場にお越しください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【転送転載歓迎】━━
★『どげんかせんと宮崎』宮崎×高円寺×学生☆
    ~宮崎を食べて、知って、応援しよう!~

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2010年7月24日(土)@JR高円寺駅 北口広場
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口蹄疫(こうていえき)を知っていますか?
今年4月に宮崎で発生した口蹄疫。
事態は終息しつつあるとはいえ、現在も宮崎県や関係者の方々への被害は続いています。
宮崎を応援したい!
そんな思いから、大学生と高円寺商店街連合会が立ち上がり、
宮崎県を応援し、宮崎の物産を紹介(販売)するイベントを開催することになりました。イベントで生じた利益は、義援金として宮崎県に送ります。

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■■フード■■ 宮崎の物産展
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食の宝庫、みやざき。温暖な気候、豊な自然に恵まれたみやざきには、美味しいものがたくさん。 そんな、みやざきのおいしいものを販売します。

●販売予定品目(一部紹介) とんねどりチキン南蛮、豚足、鶏炭火焼、辛子大根漬け、日向夏キャンディ、マンゴープリン、 芋かりんと、冷や汁レトルト、食べるラー油、など。

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■■ワ-クショップ■■ 知る・届ける ~100人のフォトメッセージを届けよう!~
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●東国原知事をはじめ、関係者の方々からのメッセージや資料の展示をします。
●「フォトメッセージ」
参加型のワークショップです。ご来場いただいた皆さんに、ホワイトボードにメッセージを書いていただき、それを持って写真を撮ります。 その写真をまとめて、義援金と一緒に宮崎へ届けます。宮崎の方々に応援メッセージを送ろう!

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■■オンライン■■
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【Twitter大作戦】
当日来られない方もtwitterでの宮崎への応援つぶやき募集中です。 宮崎への応援メッセージの後に#dogenkasent38をつけて、ツイートをお願いします。 50型TVを用いて大画面で、みなさんの声をリアルタイムで発信していきます。

【Ustream生中継】
当日はUstream中継も行います。 是非お楽しみに。

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■■イベント詳細■■
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日時:2010年7月24日(土) 12時~18時(予定)

場所:JR高円寺駅 北口広場

主催:「どげんかせんと宮崎」実行委員会

共催:
高円寺商店街連合
SOLA(日本の農業に一生を賭ける!学生委員会)
 http://www.sola2006.net/
わかもの農援隊(農から、ニッポンを元気に!)
 http://ameblo.jp/nouentai/
スローフードすぎなみTOKYO
 http://www.slowfood-suginami.com/

*当日は、高円寺を代表する阿波踊りが見られます。
*宮崎県、東国原知事からも公式に認可のお手紙を頂きました。

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【お問い合わせ】 ご不明な点等あればお気軽にご連絡ください。
「どげんかせんと宮崎」実行委員会
担当: 細田侑 miyazaki_koenji(at)yahoo.co.jp※(at)を@に変更して下さい
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チラシのPDF画像は、こちら。
「どげんかせんと宮崎」チラシ(PDF)

宮崎×高円寺×学生 「どげんかせんと宮崎!」開催!(7/24)

投稿日 2010年07月01日

口蹄疫進行をどうやら封じ込められる方向であることが、すでに報道でなされています。しかし、完全に終息すれば、それを境に、マスコミもTVも、宮崎県のことをほとんど報道しなくなるでしょう。
宮崎の畜産農家の損害、被害はそのまま残るのに、世の人びとは、結果、宮崎でそんな大被害があったということすらすみやかに忘れていく。
それこそがこわいことだ、と、宮崎県の東京事務所では危機感を持っているようです。

今回のイベントは、口蹄疫の教訓を忘れないことと、まだまだ続く宮崎県内の農家の厳しい状況を引き続き支援していく目的で組まれました。

口蹄疫が深刻化してからこれまで、宮崎に、風評被害で売上が立たなくなっている状況への、何らかの支援をしたいと街や商店街単位で宮崎県の東京事務所に申し出たのは、あとにも先にも高円寺だけだそうです。

今回は、スローフードすぎなみもバックアップしながら、学生たちに全面的に活躍してもらいます。

内容は、口蹄疫被害で悩む宮崎牛の焼肉、宮崎県の物産展をからめながら、口蹄疫に対してのアピールをしていきます。

スローフードのメンバーも、ぜひスタッフ参加してください!

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宮崎×高円寺×学生 「どげんかせんと宮崎!」

日時 7/24(土)12:00~18:00

場所 高円寺北口前広場

内容 口蹄疫被害で悩む宮崎和牛の焼肉販売(BBQ)、宮崎県の商品販売、口蹄疫とその被害に対してのアピールと募金活動等
(物産の売上げから経費差し引き分はすべて宮崎県に寄付します。)

主催 「どげんかせんと宮崎!」実行委員会

共催 高円寺商店街連合会、SOLA、わかもの農援隊、スローフードすぎなみTOKYO

後援 杉並区、杉並商工会議所、宮崎県(以上、予定)
日本の農業に一生をかける! 学生農業委員会SOLA
http://www.sola2006.net/

わかもの農援隊
http://ameblo.jp/nouentai/
実行委員長は、「わかもの農援隊」の武藤寛奈さんに決まりました。
ミーティングを重ねながら、飲食しながら、当日を迎えるべく、急ピッチで準備中です!

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宮崎の口蹄疫、27万6000頭の処分完了

 宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、県は30日、ワクチン接種した家畜の殺処分と埋却が終了したと発表した。感染家畜(疑い含む)と合わせて計27万6049頭の処分がすべて完了したことになる。これを受け、東国原英夫知事は1日、イベント開催の自粛などを県民に呼びかけていた「非常事態宣言」について、感染が多発した県東部を除いて解除する方針。

 30日は、高鍋町で拒否している牛農家1戸の6頭を除き、都農町など4町に残っていた最後の3393頭を処分した。知事は「畜産農家の無念や不安は言葉に尽くせないが、埋却や消毒に従事した方や県内外からの支援に感謝したい」とのコメントを出した。

 一方、新規感染は6月18日を最後に発生しておらず、終息確認調査を経て、早ければ7月16日午前0時にも県内全域で移動・搬出制限区域が解除される。

(2010年7月1日  読売新聞)

武蔵境で八房とうがらしを使ったまちおこし

投稿日 2010年06月11日

おはようございます。あさみです。
読売新聞の地域版に八房とうがらしのことが載っていたので転載します。
SF江戸東京の内藤とうがらしと同じ品種で日野や八王子でも昔作られていた唐辛子です。
甲州街道などを通じて同じ品種のとうがらしが作られていたというのは歴史的な視点からとても面白いなぁと思います。

以下yomiurionline6月8日地域版から転載

農業体験で唐辛子の苗を植える親子連れら(武蔵野市の高橋農園で)
 同じ武蔵野市内で「住んでみたい人気の街」とされる吉祥寺、三鷹に負けぬよう、武蔵境の街も盛り上げようと地元企業や大学、商店などの有志でつくる活性化委員会が2年がかりでまとめあげた「ほっとタウン武蔵境プログラム」が動き出した。4月から、地元産の唐辛子を使った激辛料理などを参加店が企画する「さかいHOTほっと」を始めたほか、6日には、唐辛子をみんなで育てようという「第1回武蔵境アグリHOT体験」を開催し、親子連れなど地元の市民約80人が唐辛子の苗植えなど土いじりに汗を流した。

 武蔵境活性化委員会は、武蔵野商工会議所会頭の提案で2008年7月に若手事業主を中心に発足。09年2月からは、地元住民、大学や病院、金融機関、生産農家なども加わり、活性化のアイデアを考えてきた。

 「緑の多い落ち着いた住宅地が広がっており、千川上水や玉川上水など水に縁がある」「数多くの教育機関があり、数千人規模の学生が生活している」――こうした、吉祥寺や三鷹とは異なる武蔵境の特色や魅力に注目し、メーンスローガンを「わくわく元気な街、武蔵境」と決めた。

 活性化委員長を務める武蔵境自動車教習所の高橋勇会長(62)によると、実は、武蔵境は唐辛子の町でもあった、という。北原白秋の詩には「武蔵野のだんだん畑の唐辛子 いまあかあかと刈り干しにけれ」(「桐の花」より)とうたわれ、昭和初頭まで武蔵野近郊では「八つ房唐辛子」というとても辛い唐辛子が栽培されていたという。

 高橋さんは、「激辛商店街」で町おこしに取り組む京都・向日市や、「とうがらしの郷(さと)」として知られる栃木県大田原市を訪れて交流。4月からJR・西武線武蔵境駅周辺で始めた企画「さかいHOTほっと」には、中華料理やカレー、うどん、お好み焼き、すし、せんべいなどの工夫を凝らした「激辛メニュー」を20の飲食店が参加して提供している。

農大学生グループSOLAメンバーとの交流会(5/13[木])

投稿日 2010年05月05日

東京農大の学生たちが結成したSOLAというグループがあります。
http://www.sola2006.net/

ここの代表・鵜澤佳史さんと昨年知り合い、その後もメールのやりとり等をしてきましたが、SOLAの何人かのメンバーが、スローフードの話を聴きたいとのことで、交流飲み会をすることになりました。

SOLAのグループは、昨年のテッラマードレ・ジャパンでも活躍したようです。

学生たちの農業にかける熱い想いを聞きながら、スローフードとの連携を探りたいと思います。
都合のつく方は、ぜひご参加ください!
■日時: 5月13日(火) 18:30~21:30くらいまで

■場所: カフェバー「アンリファーブル」
(JR高円寺駅北口下車徒歩4分、「座・高円寺」2F)
   http://r.gnavi.co.jp/e650500/

■参加者: SOLAから鵜澤佳史さん含め4~5人+SFすぎなみメンバー 総勢10名ほど

※ 日本の農業に一生を賭ける!学生委員会
  SOLA: 鵜澤佳史さん
  東京農業大学 国際農業開発学科
  http://www.sola2006.net/
  twitter&mixiネーム:yoshiu4423
ご参加可能な方、ご連絡をお待ちしています。
XLK03572@nifty.ne.jp

日本人の腸内細菌群は海藻の消化に適していることが判明

投稿日 2010年04月08日

日本人が戦後、ミネラル摂取量が減ってきたという、その一因とされているのが海藻を食べる量だと言われます。

ところが、水産庁のHPから、戦後の海産資源についての生産量と自給率の推移を見てみると、確かに海藻も含め全体的に落ちてきているものの、海藻に関しては自給率も67%で、ここ数年は回復基調にあります。

日本は海に囲まれた国。
もちろん、海に面してない地域も多数ありますが、海産資源の恩恵はずっとずっと大きかったわけで、今後も、これは失ってはならない部分でしょう。

特にぼくは、海藻の復活を足掛かりに、海産資源全体へと輪を広げていけないかなあ、と考えております。

のり食べる生活に適応=日本人の腸内細菌群-消化遺伝子取り込む・仏大学
4月8日2時7分配信 時事通信

 のりやワカメ、昆布などの海藻をよく食べる日本人の腸には、海藻に含まれる多糖類の分解酵素を持つ細菌がいて、消化に貢献している。この多糖類の分解酵素遺伝子は、海藻に付着している細菌から取り込まれた可能性が高いことが分かった。フランスのピエール・マリー・キュリー(パリ第6)大学の研究チームが8日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
 この多糖類分解酵素「ポルフィラナーゼ」の遺伝子や、寒天の主成分アガロースの分解酵素「アガラーゼ」の遺伝子は、米国人の腸内細菌群からは見つからなかった。腸内に共生する細菌群は、人間の食生活に適応しているとみられるという。
 日本人の母と乳児では、ともにこれら2種類の遺伝子が腸内細菌群から検出された。細菌群が母から子へ伝わる経路もあると考えられる。 

食糧自給率の<不思議>

投稿日 2010年04月07日

なぜか無視される「生産額ベース自給率65%」という数字

なぜか無視される「生産額ベース自給率65%」という数字

生産額ベースでなら、「我が国の食料自給率は70%あり、主要先進国と比べてもそんなに悪い数字ではない」と発表することもできますね。ちなみに、生産額ベースの自給率が100%を超えるのは、単純に食料の輸入額を輸出額が上回っているからです
図版デザイン/坂井大輔

 

「日本の食料自給率はたったの40%!」…こんな報道を耳にしたことはないですか? 農業や食糧問題を論ずる際、必ずといっていいほどこの「自給率」が引き合いに出されます。でも、自炊してる人はわかると思いますが、スーパーの棚に並んでいる農産物はだいたい国産なんですよね。農家で大量廃棄される野菜がニュースになったりしますし、コメにいたっては長年減反政策がとられています。どうも一般的な生活実感とズレているように見える自給率ですが、いったいどういう数字なんでしょう?

農林水産省によれば、食料自給率とは「国内の食料消費が、国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標」で、個別の品目によらない総合的な自給率を表すものとして「カロリーベース総合食料自給率」と「生産額ベース総合食料自給率」があります。で、広く世間に流布しているのは「カロリーベース」の方。計算式にすると、

1人1日あたりの国産供給カロリー ÷ 1人1日あたりの供給カロリー

となり、最新値である2008年の数字を見ると、分子が1012kcal、分母が2473kcalで、自給率は41%です。一方の生産額ベースは、

食料の国内生産額 ÷ 食料の国内消費仕向額(国内で消費される食料の生産額)

で、同じく08年の数字なのに分子10.0兆円、分母15.3兆円で自給率65%と、ずいぶん高くなります。しかし、こちらの数字が表立って報道されることはほとんどありません。もともと食料自給率は、1965年から生産額ベースだけで発表されていたのに、83年にカロリーベースがひょっこり現れて以降、生産額ベースの自給率はすっかり影が薄くなってしまいました。結果、「40%」という数字だけが刷り込まれ、国民のあいだには漠然とした自給率への不安が募り、農水省には巨額の「自給率向上対策費」が割り当てられるようになりました。

そもそも、我が国では「自給率」が幅を利かせていますが、実は自給率を計算しているのは日本と韓国だけで、諸外国ではまったく問題視されていません。よく日本と比較される主要先進国のカロリーベース自給率も、農水省がFAO(国際連合食糧農業機関)の統計から“独自に”はじき出したものです。さらにいえば、日本の数値が高めに出ている生産額ベースでの各国比較は、不自然なほど話題になりません。まるで「日本は先進国中最低の自給率!」といいたいがためのデータのような、作為的なものを感じてしまうんですよね…。

webR25 2010.03.30 より転載

生物多様性プロジェクトからのメッセージ

投稿日 2010年04月05日

昨年秋の、「テッラ・マードレ・ジャパン」の際、スローフード東京の黒川さんたちが中心に立ち上げた「生物多様性プロジェクト」の方々が、メッセージを発しました。「生物多様性プロジェクト」は、スローフードジャパンでは、初めてのコンビビウムを横断する自主組織です。下記からお読みください。

blog’10.04.05-01 Message of Diversity

(↑ 写真は、昨年、12月6日の「手作り忘年会」で味わった大根、蕪の数々)

PS:「奈良大会」に添えた資料

投稿日 2010年04月04日

先月のスローフードジャパン奈良総会で、スローフードすぎなみから、以下の資料を参加者全員に配布しました。これは、昨年5月に、メンバーの大屋さん・斉藤さんが訳し、代表の佐々木さんが監修した、スローフード・インターナショナルの文書でした。内容は、昨年行われた「EU議会」選挙の議員候補者に宛てた、農業政策の提言です。既報の通り、この文書は、総会の席上で取り上げられることはありませんでしたが、私たちが参加しているスローフードは、本来、このように農業政策にも提言し、社会的なプレゼンスが高い運動です。ご一読ください。

‘09.05.29SFI Manifest for EU Cong.

(↑ 写真は、上空から見たドイツの農村)

中国の大干ばつ、農家に壊滅的打撃

投稿日 2010年03月31日

 先日、ワールドウォーターデイの紹介がありましたが、中国では雨が降らずにかなりの広域で干ばつになり農作物も打撃を受け物価高が起きているようです。

中国はアメリカに次ぐ日本の食料輸入先です(資料1資料2)。
今後日本にも影響が出てくるのでしょうか?

3月30日 AFPBBNewsより転載

毎朝、中国南西部雲南(Yunnan)省の農家のDong Guichengさんは、雨が降っていることを祈りながら目を覚ます。しかし、深刻な干ばつが続く毎日に、ますます落胆と絶望がつのるばかりだ。

 この光景は、中国南西部の乾燥地帯に暮らす数百万人の人々が繰り返してきたものだ。Dongさんは毎日、徐々に水量の減る貯水池まで歩き、クルミの木やクリの木に与えるわずかばかりの水を汲む。雨はもう半年も降っていない。

 家族用の飲料水がかろうじて確保できるほどで、Dongさんは1週間も風呂に入っていない。作物への被害により、今年の収入は80%減になるという。

「とても心配だ」と、Dongさんは自宅から2キロ離れた貯水池で、妻のDao Haiyanさんと水を汲みながら語った。「今後も雨が降らなければ収入が無くなってしまう。(干ばつの)影響は言葉にできないほどだ」

■中国南西部を襲う100年に1度の大干ばつ

 干ばつは雲南省、貴州(Guizhou)省、四川(Sichuan)省、広西(Guangxi)チワン族自治区、大都市の重慶(Chongqing)を襲い、100年ぶりの大干ばつと呼ばれている。作物は壊滅的な打撃を受け、物価は高騰し、中国で頻発する水不足問題が浮き彫りとなった。

 前年9月以降の降雨量は例年の半分以下まで落ち込んでいる。普段は温暖な雲南省は、貯水池が干上がって河川の水量が減少した、乾ききった環境災害地帯に変わってしまった。

 中国政府によると6000万人以上が干ばつの影響を受けており、1800万人以上の国民と1100万頭以上の家畜が飲み水不足に苦しんでいる。しかも被害は日に日に拡大している。

 品不足により、経済的に重要な砂糖や米、茶、生花類の価格が高騰した。また、多くの水力発電でも水力が徐々に減少しており、国営通信は今週、貴州省では水力発電所の90%が機能停止に陥っていると伝えていた。

 気象学者らによると、干ばつは6月を過ぎても終わらない可能性がある。人工降雨のための化学物質を散布する大規模な取り組みも行われたが、大気中に水分が無いために失敗に終わったという。

 中国政府は対策として干ばつ被災地に飲料水を緊急輸送し、また、緊急用水計画を立ち上げ、数千本の井戸を掘った。しかし、Dongさんは、雨が降ることと比べれば、これらの対策の土地への影響はほとんどないに等しいという。

■原因は気候変動か急速な経済成長か

 中国政府の気象関係者らは、近年の異常気象の多発の原因が気候変動にあると主張している。

 しかし、「China’s Water Crisis(中国の水危機)」という著書があるMa Jun氏は、中国が経済成長を優先するあまり発生した大規模な森林伐採や水質汚染、水資源の枯渇などが干ばつの被害を拡大したと指摘している。(c)AFP/Dan Martin

立川市民農園

投稿日 2010年03月17日

立川では3月1日から今期の体験農園や市民農園が始まり、暖かかった先週末あたりからウチの近所の市民農園でも作業が始まったようです。
立川市には柴崎町と幸町に合計382区画の市民農園があります。
立川駅南口から徒歩15分の住宅地にあるこの農園も100区画もあります。

立川市柴崎町の市民農園

この農園の脇には玉川上水の柴崎分水という農業用水路があり、農園利用者が水やりをするのにも使われています。

農園と玉川上水柴崎分水

区画ごとにトンネルをつくる方もいれば、露地でやる方もいたり、化学肥料が撒いてある区画もあります。それぞれに個性があって眺めているだけの私としては面白いのですが、露地で植えた苗を小鳥がつついているのは大丈夫なのでしょうか(^^;)

農業政策が変わる!?

投稿日 2010年03月14日

 

3月6日の奈良大会に出席する前夜、共同通信の速報をチェックしていたら、こんな記事がありました。

以下に、コピペしておきます。大規模化の転換は、スローフードの理念には沿っていることだと思うのですが・・・・・・

(*赤字は引用者)                              ↑山の間の田。佐賀県三瀬村の風景

政府、農協経由見直しを明記 

農業基本計画素案

 政府が今月中に改定する食料・農業・農村基本計画の素案が5日、判明した。これまでの農協を経由する政策の大幅見直しを明記。農家自身による取り組みを重視し、農家への直接支援に切り替える「農政大転換」を掲げた。農業の大規模化路線は転換し、小規模を含めた多様な農家の育成に力を入れる。

 政権交代を受け、民主党色の強い計画。農協や農協とつながりの深い農家の反発が予想されるほか、大規模化の見直しは国際競争力の向上につながらないという批判も出そうだ。

 素案はこれまでの農業政策について、農業団体経由では、団体とかかわりが薄い農家への効果が限定的だったと指摘。「可能な限り施策対象に直接作用するものに改善する」として、戸別所得補償制度の導入を後押ししている。

 今後は「意欲のある者が主体性と創意工夫を発揮することを促す『個々の取り組みを大切にする施策』に転換する」とした。

 現計画が一定規模以上の農家への農地集積を掲げたのに対し、新計画は「意欲ある多様な農業者を育成する」として、路線転換を明確にした。

2010/03/05 23:01   【共同通信】

立川市農業ウド

投稿日 2010年03月13日

立川市農業

スクラップからの記事です。

ウド地下栽培

1.東京都の立川市・国分寺市・武蔵野市などの北多摩地域には江戸時代から、地下に
掘った穴蔵でウドを栽培する独特な技術が伝わっている。

2.日光を一切当てず栽培した純白なウドは「東京ウド」として、市場評価は高い。高
橋正直さん(72)は立川市で2代にわたってウドを作る。息子正士さん(36)。

3.穴蔵=奥行き8メートル・幅4メートル・高さ1.5メートルの室で栽培する。入
口は垂直から斜面。運搬が楽。内部の壁に波板を当て鉄柱で補強。

農林漁業

投稿日 2010年03月02日

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