生物多様性関連
投稿日 2010年08月18日
カテゴリー その他の話題
害獣・害虫・悪玉菌はヒトの価値判断なのですが・・・
また引用です。
紀伊民報(和歌山)記事 2010年8月17日
野生動物呼ぶ廃棄果実 7カ月で1300匹超確認
ミカンや野菜などの廃棄地が、野生動物の格好の餌場になっていることが、県果樹試験場(和歌山県有田川町)の調査で明らかになった。試験地には7カ月で延べ1328匹の野生動物が食べに来ており、95%がイノシシだった。試験場は「県内の農作物被害の半数はイノシシによるもの。獣害を減らすにはまず廃棄果実をなくすことが重要」と呼び掛けている。
県内では毎年約3億円に上る鳥獣による農作物被害が報告されている。その大部分は果樹で発生しており、対策として柵の設置や捕獲などが行われているが、一向に減る気配がない。以前から廃棄果実がその一因と言われていたが、今回の調査でその実態が明らかになった。
調査方法は、有田川町内にあるかんきつ類の栽培地周辺に、動物を自動感知するカメラを昨年3~9月に設置。撮影した画像を分析した。
イノシシの出没は299回で延べ1268匹。うち成獣は846匹だった。果実の廃棄が続く3~6月に多く出没した。7月以降は減少したが、それでも3日に1回以上出没しており、廃棄場所を餌場として認識していると考えられるという。腐ってスープ状になった果実を執拗(しつよう)に食べ続ける姿も確認された。夜間の出没が多く、午後6時から10時が全体の6割以上を占めた。人の活動時間を避けるためとみている。
一方、ニホンザルの出没は延べ56匹(13回)で、廃棄果実があっても出没しない時期があるなど偏りがみられた。新鮮な果実がない場合はほとんど出没しなかった。果実が大量にあっても執着して食べ続けなかった。出没は日中だが、人がいなくなる早朝や昼時、夕方に集中している。
食物の廃棄地が野生動物の餌場になっていることについて法眼利幸研究員は「かんきつ以外の果実、野菜、生ごみも、捨てたら餌付けになる。たとえ腐っていても、動物にとってはごちそうだということを認識してほしい」と話している。