スローフードベルリンからの便り

投稿日 2010年10月12日

スロフードベルリンのメンバー河野章子さんから、便りが届きました。ベルリンは、日本最北の地、北海道の稚内(北緯45°20′)よりもずっと北の、北緯52°30′(日本付近で言えばサハリンの北部)にあります。でも、ぼくの印象では、冬は位置から想像するほど寒くはありません。札幌の冬の方が、ずっと寒いです。そんなベルリンにも、秋色は濃いようですね。

____________________________________

ヤギのエコ農家を訪ねて

↑ヤギのチーズを、焼いたパンに載せたサラダ

10月10日の日曜日、私たちスローフードベルリンのメンバー20名は、約130キロ離れたヤギと乳牛のエコファームを訪ねました。ドイツでは料金さえ払えば、地下鉄やその他の電車の車内に自転車を持ち込める為、20名のうち15名は電車と自転車にて現地に集合しました。(ちなみに、自転車料金込みで、約100キロの往復運賃は一人あたま1200円くらいでした。)

↑クヌーデル(パンと卵の団子)

日本では、羊やヤギのミルクと肉はあまり食卓には並びませんが、ヨーロッパでは季節ごとに欠かせないものとなっています。日本人の私は、いまだに羊やヤギの独特の香りと味に馴染めませんが、ドイツ人がとてもおいしそうに食べているのを見て、食文化の違いをつくづく感じています。経営者とコックさんたちは、とても若く、また内面から湧き出てくるパワーとやさしさがありました。きっと自分たちの仕事を誇りに持って、楽しんでいられるのですね。

↑ヤギ肉の煮込み、クヌーデル添え

私が子供の頃、神戸の六甲の酪農園で絞りたてのヤギのミルクを飲んだ覚えがあります。あまりおいしいと感じませんでしたが、、、。

ドイツでは絞りたてのミルクをRohmilch(ローミルヒ、生牛乳)としてその場のみで売られ、その価値は誰もが知っています(火入れを

↑ヤギのミルクのアイスクリーム、2種の木の実ソース添え

していないミルクはすぐに悪くなるため)。あるジャーナリストによれば、そのミルクを布で覆い、窓のそばにつるして水分を濾すと、固形物が残り、それをバターかチーズのようにしてパンにつけて食べるのだそうです。ビタミンやミネラルがたくさん取れる食材なのです。

ヤギをなでた手が、ヤギの肉とチーズのにおいがしました。やはりいまだに馴染めません。