中国の大干ばつ、農家に壊滅的打撃
投稿日 2010年03月31日
先日、ワールドウォーターデイの紹介がありましたが、中国では雨が降らずにかなりの広域で干ばつになり農作物も打撃を受け物価高が起きているようです。
中国はアメリカに次ぐ日本の食料輸入先です(資料1、資料2)。
今後日本にも影響が出てくるのでしょうか?
3月30日 AFPBBNewsより転載
毎朝、中国南西部雲南(Yunnan)省の農家のDong Guichengさんは、雨が降っていることを祈りながら目を覚ます。しかし、深刻な干ばつが続く毎日に、ますます落胆と絶望がつのるばかりだ。
この光景は、中国南西部の乾燥地帯に暮らす数百万人の人々が繰り返してきたものだ。Dongさんは毎日、徐々に水量の減る貯水池まで歩き、クルミの木やクリの木に与えるわずかばかりの水を汲む。雨はもう半年も降っていない。
家族用の飲料水がかろうじて確保できるほどで、Dongさんは1週間も風呂に入っていない。作物への被害により、今年の収入は80%減になるという。
「とても心配だ」と、Dongさんは自宅から2キロ離れた貯水池で、妻のDao Haiyanさんと水を汲みながら語った。「今後も雨が降らなければ収入が無くなってしまう。(干ばつの)影響は言葉にできないほどだ」
■中国南西部を襲う100年に1度の大干ばつ
干ばつは雲南省、貴州(Guizhou)省、四川(Sichuan)省、広西(Guangxi)チワン族自治区、大都市の重慶(Chongqing)を襲い、100年ぶりの大干ばつと呼ばれている。作物は壊滅的な打撃を受け、物価は高騰し、中国で頻発する水不足問題が浮き彫りとなった。
前年9月以降の降雨量は例年の半分以下まで落ち込んでいる。普段は温暖な雲南省は、貯水池が干上がって河川の水量が減少した、乾ききった環境災害地帯に変わってしまった。
中国政府によると6000万人以上が干ばつの影響を受けており、1800万人以上の国民と1100万頭以上の家畜が飲み水不足に苦しんでいる。しかも被害は日に日に拡大している。
品不足により、経済的に重要な砂糖や米、茶、生花類の価格が高騰した。また、多くの水力発電でも水力が徐々に減少しており、国営通信は今週、貴州省では水力発電所の90%が機能停止に陥っていると伝えていた。
気象学者らによると、干ばつは6月を過ぎても終わらない可能性がある。人工降雨のための化学物質を散布する大規模な取り組みも行われたが、大気中に水分が無いために失敗に終わったという。
中国政府は対策として干ばつ被災地に飲料水を緊急輸送し、また、緊急用水計画を立ち上げ、数千本の井戸を掘った。しかし、Dongさんは、雨が降ることと比べれば、これらの対策の土地への影響はほとんどないに等しいという。
■原因は気候変動か急速な経済成長か
中国政府の気象関係者らは、近年の異常気象の多発の原因が気候変動にあると主張している。
しかし、「China’s Water Crisis(中国の水危機)」という著書があるMa Jun氏は、中国が経済成長を優先するあまり発生した大規模な森林伐採や水質汚染、水資源の枯渇などが干ばつの被害を拡大したと指摘している。(c)AFP/Dan Martin